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財政政策のレジームチェンジ

労働者が実際に受け取った給与(名目賃金)から、物価変動の影響を差し引いた賃金を実質賃金といいます。

どんなに名目賃金が上昇したところで、それ以上に物価(インフレ率)が上昇していれば実質賃金は低下します。

そうしたケースは主として発展途上国に多いわけですが、現在の日本はご承知のとおり「デフレ経済」にあり、物価(インフレ率)が上昇することなく、ひたすら実質賃金が低下しています。

なお実質賃金は、給与で購入することのできるモノやサービスの量を示していますので、個人消費の動向にも大きく影響します。

9月8日に厚生労働省から発表された『毎月勤労統計調査』によれば、7月の実質賃金は前年同月比で「−1.2%」(きまって支給する給与)でした。

因みに「きまって支給する給与」とは、労働協約、就業規則等によってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって支給される給与で、要するに定期給与(基本給)のことです。(家族手当、超過労働手当を含む)

国民経済が安定成長していくためには定期給与の安定的な上昇が不可欠ですので、私はこの「きまって支給する給与」を重視しています。

直近のデータをグラフ化してみますと、ご覧のとおりのお粗末な結果で、長期時系列でみても日本国民がいかに貧困化しているのかがわかります。

実質賃金
実質賃金

さて、一昨日から自民党総裁選がはじまりましたが、公開討論会において菅氏は「経済あっての財政で、まずは経済再生が大事」と述べられました。

憲政史上、もっとも緊縮財政を行ってきた内閣の官房長官をお勤めになられて菅さんが、今さらのように「経済あっての財政…」と言ったところで、ちょっと説得力に欠けます。

それに「経済あっての財政…」というより、財政は経済情勢に応じて拡大したり引き締めたりするものです。

むろん経済情勢とは、需給バランス、インフレ率、失業率、実質賃金、金利等のことです。

岸田さんに至っては「健全化に向けた方向性を示していかないと(国際的な)信用そのものに関わる」などと言っておられ、相変わらず財務省見解をなぞっています。

そもそも健全化って何ですか?

ひょっとしてプライマリー・バランス黒字化のことですか?

信用って何ですか?

どこの誰がどのように納得したら信用を得たことになるんですか?

だいたいからして「信用」を示す数値はどのようにして図るのですか?

こうした抽象論は、もうウンザリです。

石破さんにしても「格差社会を見直す」と仰せですが、であるならば「格差社会を生み出している構造改革そのものを見直す」と言わなければ何の説得力もありません。

詰まるところ、どなたが総理になられても財政政策のレジームチェンジは難しそうです。

現在の我が国においては、指導者が「財務省が何と言おうと、デフレを脱却するまで財政支出を拡大します」の一言を述べるだけで、超がつくほどに立派なレジームチェンジです。
2020/09/10

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