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溶解する米韓同盟!?

コロナ問題で喧しいテレビや新聞ではほとんど報じられていませんが、本日は米韓同盟について取り上げます。

日本の総理は、日米同盟こそが東アジアの安全保障の要であるかのように言いますが、必ずしも米国はそのように思っていないはずです。

米国にとって東アジアにおける防衛戦略の要は、おそらくは日米同盟ではなく、むしろ米韓同盟のほうではないでしょうか。

むろん米国にとって我が国は、東アジアの集団安全保障を維持するための基地(国連軍基地を含む)を提供してくれる重要な同盟国の一つですが、どちらかといえば経済戦略上、市場としての「日本」と仲良くしているに過ぎない…と、言ったら言い過ぎか。

少なくとも「同盟の絆」という点では、対日よりも対韓のほうが意識として強いのではないでしょうか。

とりわけ、1987年に韓国の軍政が終焉し、民主主義や市場経済への考え方を共有するようになった米韓関係は対日のそれ以上に深化を遂げました。

何よりも、軍事国家である北朝鮮と対峙しなければならない韓国にとって、米国による軍事プレゼンスは安全保障の根幹に関わる極めて重要な存在でした。

また韓国は、米国の核の傘に入れてもらったことで、北朝鮮が核開発を進めつつも自国での核開発を控えてきました。

あるいはその見返りだったのか、韓国は朝鮮戦争以降、米国が介入したほぼ全ての戦争に部隊を派遣しています。

ベトナム戦争しかり、イラク戦争しかりです。

例えばベトナム戦争では30万人以上の兵士を派遣しており、イラク戦争では加勢国で2番目に大きな部隊を送り込んでいた時期もあります。

因みに、ベトナム戦争では多くのライダイハン(ベトナム戦争に派兵された韓国人兵士が強姦し現地ベトナム人女性に生ませた子供)が生まれたことは有名です。

一方、米国にとって韓国の重要性は軍事領域に留まりません。

米国にとって韓国は世界で7番目に大きな貿易パートナーであり、サイバーセキュリティやクリーンエネルギーなどの分野においても価値観を共有するナショナル・パートナーです。

今回のコロナ・パンデミックにおいても、韓国は数十万の感染検査キットを米国に送っています。

ところが、ここにきて米韓同盟に大きな綻びが生じています。

最大の理由は、トランプ米大統領が韓国との同盟を重視していないことにあるようです。

トランプ米大統領が再選されたば場合、在韓米軍の一部撤退が現実味を帯びてくるとも言われています。

これ受け、韓国側もまた「米国との緊密な関係の恩恵が、はたしてコストに値するものかどうか疑問視するようになっている」(CSIS、スー・ミ・テリー)という。

過日、回顧録を出版したジョン・ボルトン元大統領補佐官によると「トランプ米大統領はすべての同盟国に対し、米国にただ乗りをしているじゃねえか、と見做している」らしい。

どうやらトランプ米大統領は、集団安全保障の意味と意義すら理解していないようです。

言わでもがな、もしも在韓米軍が縮小ないし撤退された場合、米国の東アジアにおけるプレゼンスは大幅に低下することになります。

そうなった場合、我が国の安全保障にとってどのような影響があるのか、いくつか想定してみました。

まず第一に、日米韓の関係が不安定化するのは免れないでしょう。

今後は、三カ国ないしは中国を含めた四カ国間の利害対立が際立つこととなる可能性があります。

第二に、米国の東アジアにおけるプレゼンスが後退することで、代わって勢力圏を拡大するのは中国です。

最悪の場合、朝鮮半島全域が中国の勢力圏内に収まることもあり得ます。

第三に、北朝鮮が、対韓であれ、対日であれ、いっそう強気な外交姿勢で臨んでくる可能性が高まります。

因みに、北朝鮮にとって「在韓米軍」という喉元の刃物の一部が縮小しようとも、けっして平壌が核兵器を手放す決断を選択することなどないでしょう。

要するに、我が国にとって安全保障上の利益は何一つない、ということです。

ただ一部には「在韓米軍の撤退はもちろん、縮小すらあり得ない」と言い切る人もおられますが、はたしてそうでしょうか。

現にトランプ米大統領は、ドイツの駐留米軍の3分の1の撤退を命じています。

こうした軍事情勢の変化に対し、極めて脆弱なのが我が日本国です。

現代の軍隊(軍事力)は、外交の背景として存在しています。

軍隊とは、武力行使と武力行使の準備によって、戦略目標を達成する国家の組織のことです。

ゆえに軍事抜きの外交はありえない。

そうした現実を冷徹に受け入れ、我が国と東アジアの安全保障にとって有意義な外交を展開してもらいたいのですが、残念ながら予算面での数字をみる限り現実はかなり深刻です。

軍事費の対政府支出比率
2020/07/29

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