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繰り返す「危機」から何を学ぶか



近代経済史の視点でみても、危機は常に繰り返されています。

例えば1930年代には、第一次世界大戦に伴う戦争景気がバブルを生み、その後、バブル崩壊と各国の緊縮財政によって世界的なデフレ経済に突入しました。

いつの時代でも、バブルの崩壊と政府による財政引き締めによってデフレ経済が出現します。

そんな中、いち早く金融緩和と財政支出の拡大という正しい政策でデフレから脱却した国が我が日本国でした。

因みに、日本が世界に先駆けてデフレから脱却したころ、ドイツではデフレの中からナチスが台頭しています。

デフレから脱却して経済の息を吹き替えしたドイツがポーランドに侵攻したことで第二次世界大戦が勃発し、米国、英国、オランダ、チャイナによる対日包囲網によって追い詰められた日本は事態を打開すべくやむを得ず対米戦争に突入したわけです。

戦後、マッカーサーが米国議会で証言しているように、あの対日包囲網が続いていれば、日本国内では1,000〜1,200万人の失業者が発生していたと言われています。

「よって、日本が戦争に突入した主たる理由は、安全保障の必要に迫られてのことだったのです」(マッカーサー証言)

さて、敗戦後、再スタートした日本はブレトンウッズ体制のもとに順調に経済成長を成し遂げましたが、1970年代になると危機が発生します。

70年代の危機は、60年代の高成長時代、まさに「黄金時代」が終わったことに端を発しました。

具体的には、1971年のニクソンショックによりブレトンウッズ体制は終焉し、二度のオイルショックを経て高い失業率と高いインフレ率が併存する経済状態、いわゆるスタグフレーションに苦しんだ時代です。

1930年代の危機の要因はデフレでしたので、各国がデフレ対策を打ったことによって見事に危機は回避されましたが、1970年代の不況要因はスタグフレーション(高失業と高インフレの同時発生)でしたので、当然のことながらデフレ対策では解決出来ませんでした。

そこで、失業対策からインフレ対策へと政策レジームの変更に迫られ、幸か不幸か登場したのが新古典派経済学に基づく「新自由主義」(ネオリベラリズム)です。

ここから、市場競争の強化、労働組合の弱体化など、規制緩和、自由化、民営化を絶対善とする株主資本主義、いわゆるグローバリズム経済のはじまりました。

80年代以降、たしかにインフレの抑制には成功したものの、90年代後半からは、労働分配率や実質賃金が低下しはじめ、金融経済の肥大化によって米英を中心にして富が集中し、トマ・ピケティが指摘しているように世界的規模での格差拡大(r>g)が進みました。
※r=資本収益の増加率
※g=所得の増加率

むろん、我が国も例外ではありません。

いや、例外どころか我が国こそは最も深刻な危機で、現に20年以上にもわたってデフレ経済が続き国民経済は貧困化しています。

20年以上にもわたってデフレ経済が続いている国は日本以外にありません。

加えて、2003年のイラク戦争、2008年のリーマン・ショックを経て、覇権国・米国の力が相対的に低下しはじめ、米国による一極秩序にほころびが生じたことから年を追うごとに地政学リスクが高まりつつあります。

一方、デフレから脱却できないままに、今度は新型コロナウイルスの感染拡大という疫病にともなう経済危機が発生しているわけです。

ご承知のとおり、この危機に対し、政治は明確な対処戦略を示せないままでいます。

しかしながら、1930年代(デフレーション)、1970年代(スタグフレーション)、2000年代(r>gの時代)という3つの危機、そしてそれらへの対処の成功と失敗から学べば、いま直面している危機に対して政治が為すべき措置はもはや明々白々ではないかと思います。

まずは「貨幣」に対する正しい認識が必要かと…
2020/07/28

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