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脅威は、コロナや自然災害だけではない!

去る7月14日、中国海警局の武装公船4隻が尖閣諸島沖領海に侵入しました。

中国船による尖閣周辺への侵入は、92日間連続で行われています。

領海に侵入してきた船舶に対しては、それが民間船であれ軍艦であれ、まずは警告を発し、警告が無視されたのであれば次に威嚇射撃をし、それでもダメなら撃沈(武力行使)するのが国際法上のルールです。

その国際法で認められた、当然の行動をとることができない。

否、とることができないのではなく、「政府にとるつもりがない」のが実態です。

そこに我が国の最大の危機があります。

習近平国家主席は、毛沢東、鄧小平に劣らない中華皇帝を目指しています。

そのことは、2019年1月に開催された『台湾同胞に告げる書ー40周年記念式典』の演説において氏が「中国は再統一されなければならない」と堂々と宣言していることからも明らかです。

そのためには、まずは香港、そして台湾を飲み込み一つの中国を実現し、東シナ海や南シナ海から米海軍を追い出さなければならない。

やがては尖閣諸島、次いで沖縄、九州、本州までをも飲み込み、我が国を中華人民共和国倭人自治区にすることまでをも視野に入れて。

今年の大統領選挙において誰が大統領に選ばれようが、もはや米国(米軍)は日本や台湾にとってあてにならない。

昨年8月上旬、米国はINF(中距離核戦力全廃)条約から離脱しました。

この条約は1987年に当時のソビエトと間で締結された条約です。

ソ連が崩壊し、条約を受け継いだはずのロシアが何年も前からルールを踏みにじってきたがために、米国だけがルールを遵守するのは馬鹿げている、というのが米国側の言い分でした。

一方、条約が有効だった32年間の間に、中国は世界有数の通常ミサイル戦力を整備しました。

結果、今や射程500〜5500キロの巡航ミサイルや弾道ミサイルを充分すぎるほどに保有するに至っています。

中国は1995年の第三次台湾海峡危機のときと比べ、明らかに通常兵器を充実させているはずです。

1995年当時、人民解放軍の通常兵力は米軍のそれに対し圧倒的劣勢に立っていたがゆえに、「米国は台湾海峡よりも西海岸に注意をはらったほうがいい」と言って米国を核で威嚇したものの、通常兵力で圧倒的優位に立つ米国はそれを無視、なんなく空母2隻を台湾海峡に侵入させ、中国の台湾海峡封鎖を解除させました。

あのときの中国の味わった屈辱は、昭和20年8月に我が国が味わった屈辱には遠く及ばないものの、かなりのものだったことでしょう。

以来、中国は耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、通常兵器の強化に努めてきました。

2001年に中国をWTO(世界貿易機関)に引き入れたのは米国です。

以来、中国はデフレで成長しない日本を尻目にして目覚ましい経済成長を成し遂げました。

富国を成し遂げれば強兵を目指すのは、地政経済学の習いです。

2000年代、おそらく中国の軍事費の伸び率は10〜20%にも及んでいたことでしょう。

富国を成し遂げたにもかかわらず、弱兵化によって国防の米軍依存を強めた恥ずかしき戦後日本などは例外です。

地政経済学的にみると、この20年間、米国の対中政策はことごとく失敗しています。

先日、香港では国家安全法が施行され、北京は英米に憚ることなく一国二制度を根底から覆す行動に出ています。

おそらく、香港の次は台湾でしょう。

ことし1月の総統選挙で勝利した蔡英文総統は、その勝利演説において「台湾を力ずくで奪還するといった脅しを放棄せよ」と、中国に強硬な姿勢をとっていますが、対中政策について台湾政府は言行が一致していません。

前述のとおり、中国はこの20年間にわたり軍事力(通常兵力)を大幅に強化しました。

一方、台湾の軍事費の推移をみますと、対政府支出においても、対GDP比率においても低下しており、国防予算を減らしています。

台湾の軍事費
台湾の軍事費対GDP比

結果、台湾軍は極度な人手不足に陥っており、上尉、中尉、少尉クラスの役職の半分は空席のままになっているという。

世論調査によれば、台湾国民の多くが「台湾の軍事的防衛力には自信はないが、中国による軍事的武力統一の可能性は低い」と考えているようです。

台湾もまた、軍事的空白が軍事的緊張を高めるというプラグマティズムを失いつつあるのではないでしょうか。

このように言うと、台湾国民から「日本人に言われたくない」と言われそうです。

むろん、日本は台湾よりももっと深刻です。

我が国の国民の多くが、あるいは為政者の多くが、未だに米国が覇権国(西側陣営の盟主)として機能していると盲信し、冷戦時代の発想で国防を考えています。

国防費がGDP1%にも充たない現状を憂う国民や政治家などほぼいない。

香港の次は台湾であり、台湾の次は尖閣です。

いや、台湾の前に尖閣かもしれません。

日本国民にとって、コロナや自然災害だけが脅威ではないのです。
2020/07/18

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