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国境の大切さ

「環太平洋パートナーシップ協定」「環太平洋戦略的経済連携協定」「環太平洋経済連携協定」などなど、訳語がいろいろあるTPP(ティピーピー)。

要するに、環太平洋をとりまく国々による多角的な経済連携協定ですが、もともとはシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国だけの小さな協定でした。

その後、加盟国が増え、とりわけ米国は日本を巻き込んでTPPに参加しようとしていましたが、交渉に手間のかかるTPPに愛想がついたようで、今や日米FTA(二国間協定)に切り替えて、いかに日本を経済的食い物にするかのみを専ら追求しています。

そんな身勝手な米国様に対し、我が国はいつもどおり属国根性むき出しで日米FTAに応じています。

一方、日本は米国様がいなくなったTPPにも参加しています。

安倍総理がTPP交渉への参加を表明したのは第二次安倍内閣が発足して間もない2013年のことでしたが、紆余曲折を経て2017年11月、ベトナム・ダナンで開催されたTPP閣僚会合においてTPP11協定が大筋合意に至り、翌年2018年にTPP11協定が発効しました。

TPPの対象分野は次のとおり…
1.内国民待遇及び物品の市場アクセス
2.原産地規則及び原産地手続
3.繊維及び繊維製品
4.税関当局及び貿易円滑化
5.貿易上の救済
6.衛生植物検疫(SPS)措置
7.貿易の技術的障害(TBT)
8.投資
9.国境を越えるサービスの貿易
10.金融サービス 11.ビジネス関係者の一時的な入国 12.電気通信
13.電子商取引
14.政府調達
15.競争政策
16.国有企業及び指定独占企業
17.知的財産
18.労働
19.環境
20.協力及び能力開発
21.競争力及びビジネスの円滑化
22.開発
23.中小企業
24.規制の整合性
25.透明性及び腐敗行為の防止
26.運用及び制度に関する規定
27.紛争解決
28.例外及び一般規定
29.最終規定

たしかに多角的です。

要するにTPPとは、締約国間における国境を超えたカネ、ヒト、モノ、サービスの移動の自由を最大化しよう、というものです。

とはいえ、米国からみたTPPは厳密に言うと貿易協定ではありませんでした。

彼らにとってTPPの真の主役は、上記対象分野にもあるように「知的財産」や「ISDS」でした。

因みに、2013年に安倍総理が交渉参加を表明した当時のTPP参加国のGDP比率をみると次のとおりです。

TPP参加国GDP比

どうみても、米国がTPPに参加する理由は日本の市場だったのは明らかでした。

それでも総理は「米国がTPPから抜けて残念だ」と言っていましたね。

「…」

さて、日本経済新聞(電子版)によれば、TPPで増やすはずだったカナダからの丸太輸入が急減しているとのことです。

カナダ側は2国間の取り決めを記した交換公文に「日本向け輸出を許可する」と明記していましたが、2020年4月の入荷はゼロとのこと。

どうやら、現地企業のストライキなどの影響によるものらしい。

丸太だったからいいものの、これが食料(穀物)や水やエネルギーなどの戦略物資だったらどうするのか!

このように、自由貿易というものは実に脆弱なものです。

まさに新型コロナウイルスなどの疫病が世界的に蔓延すれば、各国は急ぎ国境を閉じなければなりません。

当然のことながら、各企業の国際的サプライチェーンなど、国境を超えた物流が止まります。

疫病のみならず、戦争、紛争、テロ、自然災害、金融危機などなど、自由貿易にはこうしたリスクが常につきまとうものです。

ぜひとも、為政者たちは国境のもつ意味を再認識してほしい。
2020/07/16

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