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「ダムなし治水」などあり得ない

さきほど(午前6時半と午前6時43分)、岐阜県と長野県の複数の市町村に大雨特別警報がでました。

警戒レベルは、最も高い「レベル5」にあたります。

気象庁によれば、これまでに降った大雨の影響で、数十年に一度しかないような甚大な被害の危険が迫っているとのことです。

九州につづき、またしても土砂災害や川の氾濫などの危機に直面しています。

さて、このたびの豪雨で氾濫した熊本県の球磨川は日本三大急流の一つです。

にもかかわらず、球磨川上流部には治水ダムが一つも整備されていません。

熊本県が標榜する「ダムなし治水」は、完全なまちがいです。

治水効果は、ダム、遊水地、放水路、河道付け替え、浚渫、堤防などなど、各種施設の総合力で決定します。

堤防だけ整備すればいいというものではなく、むろん浚渫だけでもダメですし、ダムだけ整備すればいいというものでもありません。




各種の治水対策を講じることによって、洪水の水位を1センチでも2センチでも下げることが重要なのです。

しかしながら、近年、我が国においてはネオリベラリズム(新自由主義)の蔓延もあって、重要な治水施設の一つたる「ダム」は無駄な公共事業のシンボルとされ、例えば八ッ場ダムがそうであったように常に政治闘争の対象となってきました。

とはいえ、もしも八ッ場ダムが整備されていなかったら、昨年の台風19号によって首都東京でも荒川が大氾濫していたことが既に明らかになっています。

荒川が氾濫していた場合、東京駅をふくめ東京中の地下鉄が水没していたといいます。

東京都民は、八ッ場ダムに救われたのです。

球磨川についても、1966年の段階で国が川辺川ダムの計画を発表していますが、ダム建設に反対する流域市町村の意向を汲んだ熊本県の蒲島知事が2008年9月に計画反対を表明し、それを受け国も中止を決定してしまいました。

流域市町村はダムに代わる治水策を協議してきたようですが、ついに抜本策を打ち出せませんでした。

あたり前でしょ。

蒲島知事にしても流域市町村の首長にしても、前述した治水の基本を理解されていないことが致命的です。

さすがに蒲島知事は「ダムによらない治水を12年間でできなかったことが非常に悔やまれる」と語っていますが、結果として知事は日本三大急流の一つである球磨川の治水対策について12年間なにもしてこなかったことになります。

こうなると災害ではなく、明らかな人災です。

あるいは行政の不作為とさえ思えてきます。

因みに、川崎市と東京都とを隔てて流れる多摩川も、実は治水ダムが一つも整備されていません。

何度でも言いますが、日本の年間雨量1,600ミリは地球平均の約2倍にあたります。

しかも、それが台風期と梅雨末期に集中するという特性があります。

加えて近年は気象の凶悪化によって、強烈な豪雨が頻繁に発生しており、その発生頻度は30年前の2倍程度にもなっています。

そのことが脊梁山脈の存在により河川が急流であることと相まって、洪水発生頻発の原因となっています。

少なくとも、ここ数年の記録的な大雨被害は自然災害への備えが不十分である現実を突きつけています。

2017年にも九州北部豪雨で土砂・流木災害が発生していますが、それでも熊本県知事も球磨川流域市町村の首長たちも考えを改めることができなかったのでしょうか。

「住民の声」は、必ずしも絶対ではありません。

住民を守るために「住民を説得する」のも為政者の役割です。
2020/07/08

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