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真のポピュリズム

我が国では、すべての国民がいずれかの医療保険に加入することのできる、世界でも類例のない「国民皆保険制度」が採用されています。

例えば、米国で議論されている医療保険制度(オバマケア)などは民間保険への強制加入であって、日本のように誰もが割安に加入できる公的保険制度ではありませんので、「国民のため…」というよりも「民間保険会社のため…」に整備されるようなものです。

日本では、業務上の災害で医療を受ける場合や美容整形などを除いて公的医療保険が適用されます。

いわずもがな、医療保険は「職域保険」と「地域保険」に大別され、例えば職域保険には一般のサラリーマンを対象とした健康保険、あるいは公務員や船員を対象とした共済組合、船員保険があります。

一方、地域保険としては、市区町村など自治体の住民ごとに構成する国民健康保険があります。

現在は健康保険、共済組合、国民健康保険の被保険者、組合員、被扶養者の一部負担は3割となっています。
(義務教育就学前は2割、70歳以上75歳未満は2割で現役並み所得者は3割)

2008(平成20)年には、高齢者の医療費を安定的に支えるための仕組みとして「後期高齢者医療制度」が施行されました。

こうした国民皆保険制度によって、患者たる被保険者が所得や年齢に応じた保険料と窓口負担を支払えば、安価で良質な医療が提供されるわけです。

なぜ安価であるのかといえば、むろんそこには公費(国、都道府県、市町村)が投入されるからです。

公費(国、都道府県、市町村)が投入されるからこそ、保険者は安定的に医療機関に対して受診料を支払うことができるわけです。

その公費負担を少しでも減らしたがっているのが、国(財務省)であり、都道府県であり、市町村です。

とくに財務省。

公費負担を減らすのに手っ取り早いのは国民負担率を引き上がることですが、それではさすがに国民の不満が高まるため政治的に難しい。

だから彼らは、次なる手法を使います。

その手法とは、病床の削減です。

病床が減れば減るほど、公的な医療費負担は減ることになります。

1990年以降の病床数の推移は次のとおりです。

病床削減

ときおり「人口が減っているのだから病床も減って当然なのでは…」などと頓痴気なことを言う人がおられますが、日本の人口ピークは2006年です。

それ以前から病床削減は進められています。

また、人口減よりも高齢化率の高まりを考慮すれば、むしろ病床が増えるほうが自然です。

あまつさえ、国民のための医療安全保障を確立するためには、病床にも医療人材にも平素からの余力が必要です。

にもかかわらず、日本政府は医療安全保障を無視して「ただただ公的負担を減らしたい…」の一心で、病床を減らしに減らし続けてきたわけです。

しかしながら、MMT(現代貨幣理論)が示しているように、インフレ率が許す限りにおいて財源(通貨発行)に上限はありません。

この20年間、インフレ率が低迷しているにも関わらず、財務省主導により我が国は公的支出(通貨発行)を抑制してきたわけです。

実に愚かなことです。

財務省といえば、羽鳥何某のモーニングショーという番組で山口真由という財務省出身のコメンテーターがいます。

昨日も彼女は番組で「MMTは財政支出に限りがないと言うけれど…」と前置きしMMTを批判していましたが、こういうのをストローマン・プロパガンダと言います。

MMTは「財政支出に限りはない」などと言っていません。

「インフレ率が許す限りにおいて、自国通貨建てで起債できる国において…財政支出に限りがない」と言っています。

MMTが言っていないことを虚像化し、それを批判する。

これがストローマン・プロパガンダです。

要するに、まともに議論すると勝ち目がないから「MMTはこう言っている…」という虚像(藁人形)を仕立て上げ、それを批判するしかないわけです。

因みに、こうしたスト−ロマン・プロパガンダを駆使する人間をクズと言い、実に卑怯な人間のすることです。

そもそもMMTはイデオロギーでもなければ、政策でもありません。

たんに現代貨幣に関する客観的な事実を述べているだけです。

詰まるところ、国策を担っているいわゆるエリート層と呼ばれる人たちがMMTを正しく理解できないところに日本の危機があります。

今の日本が恐れるべきは、財政支出の拡大に歯止めがかからないことではなく、エリート層の劣化に歯止めがかからないことです。

その意味で、今の日本に求められているのは反エリーティズムという真のポピュリズムではないでしょうか。
2020/07/07

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