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財政は人命より重いのか!?

災害疫学研究センター(以下、CRED)が発表している日本の自然災害被災者数の推移をみると、下のグラフのとおりです。

因みにCREDは、次の4つのうち1つ以上に該当する災害を統計対象としています。
①死亡者数10人以上の災害
②被災者100人以上の災害
③非常事態が正式に宣言された災害
③国際支援が要請された災害

自然災害被災者数

東日本大震災が発生した2011年よりも2016年、2018年、2019年のほうが自然災害被災者が多いことに驚かされます。

ここ数年、1時間あたり100ミリを超える恐ろしい降雨量が全国的に記録されています。

それに伴う河川氾濫によって、各地で大被害がもたらされています。

徳島県に那賀川とう川が流れていますが、国土交通省(四国地方整備局)がその水害地形分布図を公表しています。

それによれば、なるほど我が国においての扇状地を流れる河川の祖形をみることができます。

那賀川

無数の河川が扇状地を埋め尽くしている姿は、まさに「ヤマタノオロチ」そのものです。

素戔嗚命(スサノオノミコト)がヤマタノオロチを退治したという神話は、無数に流れる河川が暴れまわるような大氾濫を、スサノオノミコトにあたる歴史上の人物が治水事業によって沈めた大業が神話化されたものにちがいない。

私たち日本国民の先祖たちは、つねに水害と闘い続けてきました。

なにせ、我が国では本州を貫く2000メートル級の脊梁山脈から、まるで滝の如き急流で海へと流れる河川が無数に走り、加えて列島の夏は台風の通り道であり、夏が来る前には梅雨前線がおよそ一月のあいだ停滞します。



ご承知のとおり、河川の氾濫は、なにも昨日や今日にはじまったわけではありません。

だからこそ、織田信長だって、武田信玄だって、江戸幕府だって、河川の堤防を強化し、各種の遊水地を設けるなどして、水害から国土と民を守り続けてきたのです。

とりわけ、信玄堤などは未だに機能しているのだから凄い。

また現在の日本の堤防の99%は、江戸時代に整備された堤防の上に構築されたものです。

ゆえに、江戸時代にヤマタノオロチを一つの河川に押し込めたのが、現在の各都市を流れる大河川です。

そう考えると、堤防に大きな負荷がかかっているのも頷けます。

治水行政を考えるうえで、堤防ほどあてにならないものはない。

いかに堤防に負荷をかけずして氾濫を防ぐのかが、治水事業の根本です。

堤防への負荷を低減させるために、複数のダムや遊水地を設け、河道を付け替えたり浚渫を繰り返す。

こうした総合的なパワーこそが、洪水の水位を下げ堤防への負荷を軽減させます。

洪水の水位が下げれば下がるほどに、流域に住む住民は枕を高くして眠ることができるわけです。

財政は収支均衡が大事だから、ダムはつくらない。

財政は収支均衡が大事だから、遊水地もつくらない。

財政は収支均衡が大事だから、河道の付け替えもしない。

財政は収支均衡が大事だから、浚渫もやらない。

今回、熊本県の人吉盆地を貫く球磨川が大雨により氾濫し、22名の死者が出ました。

「財政は収支均衡が大事だから…」

この一言のために、毎年のように自然災害による被災者と死亡者がでています。

財政は、人命より重いのか!?
2020/07/06

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