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北朝鮮の次なる体制は…



17日の朝鮮中央通信によれば、朝鮮人民軍総参謀部が「軍事行動計画をより具体化し、早期に朝鮮労働党中央軍事委員会の批准に提案する」として、非武装地帯に軍を進出し要塞化する決意を表明しています。

非武装地帯(DeMilitarized Zone)とは韓国と北朝鮮の軍事境界線に沿って設定されたもので、軍事境界線から韓国側に2メートル、同じく北朝鮮側に2メートルの幅で、その全長は約250kmにおよび1953年7月(朝鮮戦争休戦後)に設定されました。

因みに、そこには約200万の地雷が埋まっているという。

その非武装地帯に、北朝鮮は軍を進め要塞化し、いったんは撤退していた非武装地帯の見張り台も復活するとしているわけです。

なお北朝鮮による軍の進出は、非武装地帯のみならず、南北経済協力の象徴でもある金剛山観光地区や開城工業団地など、北朝鮮の外貨収入源となっている地域にも及ぶとされています。

このように半島情勢の緊張が高まるなか、我が国の安全保障に対する北朝鮮によるミサイルの驚異もまた再び高まっています。

過去の経緯からみて、北朝鮮が軍事的強行手段にでるときというのは、概ね自国の経済情勢が困窮したときか、もしくは権力基盤が脆弱化しそうなときです。

むろん権力基盤の脆弱化には体制移行期も含まれます。

新しい指導層が権力基盤を掌握するまでの空白を政治的に埋めなければならず、その手段の一つが軍事行動です。

金正日総書記から今の金正恩総書記へと指導体制が移行する際にも、そうした動きがみられました。

それは、2010年11月23日に大延坪島近海で起きた延坪島砲撃事件です。

この砲撃を主導したのが、後継者に指名された金正恩氏だったと言われています。

この延坪島砲撃事件もまた、今の金正恩総書記が前の金正日総書記から後継指名を受け権力を継承する過程で行わており、北朝鮮では次なる指導者に箔をつけるための政治的デモンストレーションとして、この種の軍事行動がとられてきました。

今年の4月11日以降、約3週間にわたって金正恩氏の死亡説を含め健康状態に関する報道が様々になされていました。

心血管手術の不手際で重篤となったとか、すでに死亡しているとか、根拠が定かでない情報が飛び交いました。

5月1日、金正恩氏がリン酸肥料工場の完成式典で姿をみせたことで、なおそれが影武者だという人もいましたが、金正恩氏に関する憶測報道に一応の終息をみました。

憶測報道の真偽はわかりませんが、ただ金正日氏が短期間でも姿を消したことで、北朝鮮の指導体制が不安定化した場合にはどう備えるべきなのかを早急に考えることの重要性が改められるきっかけとなったのではないでしょうか。

ここにきて総書記の妹である金与正氏の存在感が高まっています。

今回、北朝鮮は開城市にある南北共同連絡事務所を爆破しましたが、それを指導したのは金与正氏だと言われています。

ひきつづき北朝鮮は軍事面での後続措置をとると表明していますが、これら一連の行動も、金与正氏の後継指導者としての箔をつけるための政治的デモストレーションなのでしょうか。

後継候補としては、金与正氏のほかに、金正恩氏の叔父であり最近になって欧州から帰国した金平日氏もいます。

あるいは、金一族以外の軍や政治の指導者が後継される可能性も否めません。

現在の金正恩総書記は祖父や父と同様に独裁支配体制を採用していますが、次の後継者がどのような指導体制をとるのかもわかりません。

むろん、ひきつづき独裁体制をとることも考えられますし、意外にも集団指導体制をとる可能性もあります。

あるいは、独裁体制と集団指導体制を組み合わせたハイブリッド型の指導体制をとるかもしれません。

その権力継承にどれほどの時間を要するのか。

あるいは権力闘争は起きるのか。

起きたとすれば、その闘争は早期で決着するのか、長期化するのか。

もしも金正恩氏が後継者を指名しきれずに死去し、力の空白状態が生じた場合の最大のリスクは何なのか。

我が国はあらゆる事態を想定をし、占領憲法及び馬鹿げた財政均衡主義という特有な制約のなかにあっても、軍事外交面における優位的な礎を整え即応対処していかなければなりません。

もう一つ、北朝鮮が軍事的外交的に強行な手段にでている背景には、国内経済の困窮があろうかと思います。

おそらくは米国との交渉が決裂し、北朝鮮への経済制裁の解除が思うように進まなかったことが大きいのでしょう。

その上、ここにきて新型コロナウイルス問題が発生したことが、国内経済と体制維持にとって大打撃となっているはずです。

明日のブログでは、新型コロナウイルス問題が北朝鮮の経済と指導体制に与えている影響について考察してみたいと思います。
2020/06/20

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