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上がる消費税率、下がる法人税率

先週の11日、自民党の石原派の会合が開かれたらしい。

そこでの石原伸晃氏の発言が笑えます。

例えば、氏によると「保守政党は消費税ゼロと言ってはいけない」らしい。

『自民・石原氏「保守政党は『消費税ゼロ』言っちゃダメ」
https://www.asahi.com/articles/ASN6C5K82N6CUTFK01L.html
(前略)消費税ゼロだ、と声高に叫んでいる方が大勢、我が党の中にいる。これから選挙を迎えるとき、その人たちは逆に苦しいと思う。消費税ゼロなんてことを言ったら、どこかの政党と一緒だ。自民党は保守政党。私たちはその矜持(きょうじ)を持って、国民から直接声を聞いて、本当に国民が望んでいる政策を取りまとめていきたい。(11日、自民党石原派会合のあいさつで)』


ほか、石原氏は第二次補正予算案の議論の中で「真水で100兆円という議論がでてきたことに驚いた」という。

氏にとって「真水で100兆円」は信じがたいような途轍もなく非常識な金額だったようです。

消費税ゼロと言ってはいけない理由については、例によって「社会保障財源として必要だから…」だと言う。

ここまであからさまに無知をさらけだされると、当方としては苦笑するほかありません。

孔子様は「恥をかくは勇にちかし」と言うけれど、どうみてもこの人は少しも勇に近づいていない。

まちがいなくこの人は、①デフレという経済現象、②現代貨幣は信用貨幣という事実、③租税は財源確保の手段ではないという現実をことごとく理解していない。

デフレそのものを知らないから、たとえ「真水で100兆円」であってもデフレギャップを埋めることができない経済危機を認識できない。

信用貨幣を知らないから、江戸時代の徳川幕府がそうであったように「おカネ=金貨銀貨」だと誤解し、それを税金で集めなければならないと思い込んでいる。

そして租税が財源確保の手段だと誤認しているから、「社会保障の財源」を理由にすれば国民を騙せると思い込んでいる。

何度でも言おう。

租税は社会保障などの財源確保の手段ではない。

あまつさえ、国債償還の財源ですらもない。

例えば、2019年度末の日本政府債務残高は、金額ベースで1872年(明治5年)末比で3973万倍、実質ベースでは1885年(明治18年)末比564倍となっていますが、それでも政府は破綻(デフォルト)などしていません。

このことは、政府債務は返済されるものではないことを物語っています。

日本政府の債務残高

一方、石原氏のように「社会保障の財源が必要だぁ」と言う人たちは、消費税減税には反対するくせに、“法人税減税”には反対しないから大いに矛盾しています。

社会保障の財源が足りないというのなら、どうして法人税だけは減税するのか。

下のグラフのとおり、我が国の税制は、消費税率が引き上げられてきた一方で法人税率は引き下げられ続けてきました。

消費税率と法人税率

彼らは二言目には国際競争力を理由にして法人税率の引き下げを主張しますが、ドイツ、フランス、メキシコなど、日本より法人税率の高い国でもちゃんと日本より経済成長しています。

そもそも法人税率の引き下げは、グローバル企業やグローバル投資家たちの要請です。

法人税は企業の税引き前利益に課せられ、利益が大きければ多いほど法人税は高くなります。

しかしながら法人税が高い場合、企業は人件費、減価償却費、交際費などの費用を拡大しようとします。

ゆえに、法人税率の引き上げは需要拡大(デフレ脱却)に資することになります。

逆に、法人税率を引き下げると、企業はそれらの費用を削減することで利益の最大化をはかるため、法人税率の引き下げはデフレ圧力になります。

また、税引前利益に課せらる法人税の税率を引き下げると、企業の純利益(株主配当の原資)が増えることになります。

だからこそ、とりわけグローバル投資家たちは法人税率の引き下げを各国政府に求めているわけです。

そうした声に応え、日本政府(自民党政権)は法人税率を引き下げてきました。

むろん法人税率を引き下げれば、法人税の税収が減ることになります。

さぁ、財政均衡主義によれば、減った税収は何らかの税収で回収しなければならない。

そこで引き上げられてきたのが、前述のグラフのとおり消費税の税率です。

即ち、消費税という国民負担を財源に、グローバル企業や投資家の利益を最大化する。

それが保守政党の美しき姿なのだそうです。

だったらいっそのこと「保守政党は法人税の増税を言ってはならない」とでも言ってみろ。

だいたい石原氏の言う「保守」とは、何なのか?
2020/06/14

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