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政府支出とGDP成長の関係

今さらご紹介するまでもありませんが、6月5日に内閣府から発表された『景気動向指数』(速報値、CI)は現今の経済情勢の深刻さを反映したものになりました。

とりあえずグラフ化します。

景気動向指数

昨今では、この景気低迷をコロナ・リセッション(コロナによる景気後退)などと言う人もおられますが、我が国経済はそれ以前から消費税不況と緊縮財政不況が続いています。

一方、世界に目をむけると、すでに米国FRB、イングランド銀行、欧州中央銀行をふくむ多くの中央銀行が、金利を引き下げ、債券買い入れ計画を拡大し、経済ダメージを緩和しようと必死です。

とはいえ、2008年のリーマン・ショックとは異なって経済危機の震源地は金融部門ではなく実体経済における需要低迷です。

ゆえに中央銀行の金融政策で対処するには限界があります。

なぜなら、どんなに金融緩和されたところで、実体経済において需要が低迷したままでは民間部門はおカネを借りてくれないからです。

あたりまえですが、企業や事業者が銀行からおカネを借りるのは、ある程度の売上(需要)が見込めるときです。

いま政府が行うべきは、企業や事業者が従業員を維持していることを前提に、事業継続が困難な企業や事業者へ大規模な資金移転を行うことです。

資金移転とは、むろん資金提供のことです。

融資枠の拡大とか、返済期限の猶予とかでは駄目で、返済の必要がないおカネを提供すべきです。

なお、この「従業員を維持していること」という前提が大事で、とくに製造業が顕著ですが、人材は一日にして成らずで、いったん廃業されてしまうと、生産資産をふくめ人的リソースや技術的リソースなど、生産活動に必要なリソースを廃業以前にまで回復するのにまた長い時間と月日を要してしまいます。

生産能力が毀損され続けると、さすがの我が国でも政府の通貨発行権(国債発行権)が制約されてしまいます。

ゆえに、日本経済にとって虎の子たる生産能力(供給能力)が毀損される前に、政府は大規模な財政支出(国債発行)を行い、国内企業の供給能力を維持しなければならないのです。

因みに、1929年にウォール街がから発した世界恐慌のとき、米国は1929から1933年の4年間でGDPの45%を失いました。

まさに凄まじい供給能力の毀損でした。

当時、米国政府は大量の国債発行により資金を調達し(通貨を発行し)、総需要(名目GDP)の不足を埋めました。

その後、第二次世界大戦での戦費も重なり、1940年には3%だった財政赤字は1943年には27.5%にまで拡大し、1941年には44.5%だった連邦政府の対GDP比債務残高は1946年には119.1%に達しました。

それで米国は破綻したのでしょうか?

2019年時点の米国政府の対GDP政府債務比率は108.3%です。

では、119.1%から108.3%へとどのようにして減らしたのでしょうか?

米国政府は後世の国民からの税収で政府債務を返済したわけではありません。

たんにGDPを成長させただけです。

現在、日本政府の対GDP政府債務比率が「他国に比べて高い」と言われていますが、政府債務が多いのではありません。

我が国のGDPが成長していないことが主因です。

政府支出の拡大と、その国のGDPの成長率には相関性があります。

それをグラフにすると、次のとおりです。

グラフの一番左下に位置している、もっとも政府支出を拡大せず、もっとも経済を成長させていない国がまさに我が日本国です。

政府支出とGDP成長
 
2020/06/09

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