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官房長官よ、税収は財源確保の手段ではない!

菅官房長官はきのう午後の記者会見で、ある記者から次のような質問を投げかけられました。

「ドイツの連立与党が日本の消費税にあたる付加価値税を半年の間3%引き下げることを決めたが、日本政府に消費税率を引き下げる考えはあるのか?」

この質問に対し、菅官房長官は…

「既に事業規模で総額230兆円の対策を打っており、収入が減少している人たちには税や社会保険料支払いの1年間猶予なども実施している」

だから「消費税を引き下げる必要はない…」と。

5月22日に発表された4月の消費者物価指数は、再びマイナスに転じています。

日銀が指標にしているコアCPI(生鮮食品を除く総合消費者物価指数)は、マイナス0.2%(前年同月比)。

生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIでも、マイナス0.1%(前年同月比)となっています。

消費者物価指数

総務省統計局は報道資料で「コアコアCPIはプラスを維持している」と説明していますが、これには酒類が含まれています。

客観的な物価推移をみるには、酒類は除くべきです。

詰まるところ、これらの数字は日本経済の着実なデフレ化(国民の貧困化)を示しています。

度重なる消費税増税によって既に国民経済の消費力は減退し続けています。

国民は生活に必要な消費までをも削って凌いでいるのです。

そこから更に税を毟り奪って何の意味があるのか!

なお、きのうの記者会見で菅官房長官が決定的に無知を曝け出したのは次の発言です。

「消費税は社会保障のための貴重な財源であり必要だ」

これには驚きました。

貨幣の真実として、税収を財源確保の手段にしているのは地方政府(地方自治体)だけです。

通貨発行権を有する中央政府は異なります。

実体経済で流通している貨幣は(流通する貨幣のことを“通貨”と言う)、現金通貨よりも預金通貨のほうが圧倒的に多い。

預金通貨

ご承知のとおり、預金通貨を発行するのは民間銀行です。

民間銀行は、集めた預金で融資をしているわけではなく、無から預金通貨を発行して融資しています。

信じられないかも知れませんが、現実にそうです。

民間部門の経済活動が活発化(投資と消費の拡大)すればするほど、自然、民間銀行の預金通貨発行量は増えていきます。

そしてGDPが拡大するかたちで預金通貨が増えていくと、結果として嫌でも税収が増えていきます。

ここが重要で、中央政府はその税収で行政経費を賄っているわけではないということです。

中央政府が税を徴収する目的は別にあります。

その目的とは何か?

その一つは、日銀券と預金通貨を「通貨」たらしめるためです!

例えば、人々が安心して預金を利用するのは、預金=日銀券だからです。

その日銀券(現金)を発行しているのは中央政府です。

要するに、政府は国民(企業や家計)に対し「税」という名の負債を課しています。

そして、その税を「円(日銀券)」で支払わせるこを法定しています。

ゆえに国民(企業や家計)は、円を手に入れないと税の支払い義務を解消することができません。

だからこそ、国民(企業や家計)は「日銀券」、及び日銀券と交換可能な「銀行預金」を通貨として利用しているわけです。

即ち、日銀券や預金通貨を通貨たらしているのは中央政府(国家)なのです。

もしも日本政府が「明日から米ドルで税金を収めて下さい」と言ったら、国内の流通貨幣は円(日銀券)ではなく、米ドルになります。

仮にそうなると、その時点で我が国は通貨発行権と財政主権を失うことになります。

これが、いわゆる「貨幣租税論」です。

租税の目的はこれ以外にもありますが、少なくとも「財源確保の手段」という目的はありません。

たしか菅官房長官は横浜市議会議員をご経験されていたと思いますが、むろん横浜市も川崎市同様に地方自治体なので税収を財源確保の手段としています。

前述のとおり、中央政府はちがうのです。
2020/06/05

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