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貸出が先か、準備預金が先か?

かつて「公定歩合」と言われた我が国の短期金利は、依然として0.3%という低い水準で推移しています。

公定歩合とは、もともと日銀が民間金融機関に貸し出す際の金利のことでしたが、金利が自由化された1990年代からは民間金融機関が短期資金を融通し合う市場(無担保コール翌日物)の金利を誘導することとなり、それを政策金利と呼んでいました。

無担保コール翌日もの

現在では、民間金融機関が日銀にもっている日銀当座預金の一部(超過準備)に課している金利を政策金利としています。

景気が加熱すると民間金融機関の貸出は拡大します。

因みに、銀行による貸出とは、銀行による「預金」というおカネの発行です。

意外と知られていませんが、民間金融機関は無から預金を発行できます。

例えば、AさんがB銀行に行って「100万円を貸してください」とお願いし、B銀行が「はいどうぞ」と言ってAさんに100万円を融資しました。

このとき、AさんのB銀行通帳に「預金額100万円」と記載されるだけです。

けっしてB銀行は誰かの預金をAさんに又貸ししているわけではありません。

さて、景気が加熱すると民間金融機関の貸出が拡大し、やがてインフレ率が上昇しだします。

適度な範囲を超えてインフレ率が上昇しないように、日銀は民間金融機関に対して一定の準備預金を日銀に預けるように義務づけています。

これが準備預金制度であり、その口座を日銀当座預金と呼びます。

日銀は超過した準備預金に対して利息を付しています。

この超過準備に付される利息こそが、まさに現在の「政策金利」です。

インフレ期における日銀は、超過準備を増やしたいので利率を引き上げます。

ところが、現在の日本経済はインフレどころか長きにわたりデフレ状態です。

民間金融機関の貸出(預金発行)は一向に増えていません。

よって相対的に準備預金(日銀当座預金)が過剰になっており、政策金利は「マイナス0.1%」で推移しています。

これがいわゆるマイナス金利政策です。

とはいえ、マイナス金利政策はほとんど功を奏することなく、民間金融機関の貸出は一向に増えず、インフレ率も上昇しません。

なぜでしょう?

それは…

政府及び日銀が、準備預金(日銀当座預金)を増やすことで貸出は増える、と誤解しているからです。

現実はまったく逆です。

貸出が増えることによって準備預金は増えるのです。

即ち、貸出が先で、準備預金が後なのです。

下のグラフのとおり準備預金は増えて続けてきましたが、貸出は増えずデフレ脱却(インフレ率上昇)の気配もまったくない。

日銀当座預金
インフレ率

残念ながら、どんなに政策金利を引き下げたところで、どんなに量的緩和をしたところで、政府がデフレギャップを埋めるほどの財政出動をしないかぎり民間金融機関の貸出は増えません。

今回の補正予算(25兆円)規模では、明らかに足らない。
2020/05/14

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