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イギリスの財政革命に学べ

「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり…」(月日は永遠に終わることのない旅をする旅人のようなものだ…)と、松尾芭蕉は言いました。

なるほど…と思いつつも、月日という旅のスピードはことのほか早く、すでに師走(12月)入りし、いよいよ年が閉じようとしています。

さて、我が国では10月1日から消費税が増税(8%→10%)され、景気が深刻な状態になりつつあります。

なにせ10%増税による悪影響は、前回(3%→5%)と前々回(5%→10%)の悪影響の上に更に重なっているわけですので…

いかに野党がヘタレとはいえ、さすがの安倍政権も五輪後には総選挙に追い込まれていくのではないでしょうか。

下手をすれば五輪前の解散もありえるかもしれません。

実質消費支出

一方、海外をみわたすと、12月12日からイギリスの総選挙がはじまります。

選挙を前にして、保守党(与党)を率いるボリス・ジョンソン首相と労働党(最大野党)のジェレミー・コービン党首が、イギリスのEU離脱(ブレグジット)などについて激しく論戦を交わしているようです。

ブレグジットが再三の延期を経ていることについてジョンソン首相は「この国家的にみじめな状態を終わらせる」と主張し、対するコービン党首は「ただ分断と膠着しか提供しない」と批判しています。(BBC)

とはいえ、コービン党首もまた反EUであり、反グローバリズムなので「労働党こそブレグジットを解決するのだ」と表明しています。

世界はイギリスから動く…

議会制度も産業革命も覇権国家も福祉国家も、すべてイギリスからはじまりました。

グローバリズムの終焉もまた、イギリスからはじまりそうです。

実は、中央銀行のはじまりもまたイングランド銀行です。

ローマは道路で、アメリカは核で世界を制しました。

対してイギリスは、海軍というより「中央銀行」(イングランド銀行)で世界を制したと言っても過言ではないと思います。

イギリスがフランスとの第二次百年戦争を勝ち抜くことができたのは、なんといってもイングランド銀行による国債(戦時国債)引き受けでした。

金貨銀貨を決済通貨とし借金する場合、その借金は確かに「将来世代へのツケ」でしたが、イギリスは政府が発行した借用証書と引き換えにおカネをゼロから生み出す仕組み(中央銀行システム)を編み出したのです。

まさに財政革命と言っていい。

金貨銀貨で戦費調達したフランスは、MMT(現代貨幣理論)のいうところの「財政革命」によって戦費を調達したイギリスに負けたのです。

フランス革命は、イギリスの財政革命には勝てなかったのです。

さて、問題はそこからです。

対仏戦争が終了した時点でのイギリス政府の国債発行残高の対GNP比率は、なんと「288%」にまで及んでいます。

現在の日本政府の国債発行残高の対GDP比率は「150%」程度ですが、それだけでも「国が破綻するぅ〜」と大騒ぎです。

ところが、それでもイギリス政府が破綻することはなく、80年後には「38%」にまで低下させています。

だからといってイギリス政府は、せっせとこまめに借金を返済し国債残高を減らしていったわけではありません。

着実に経済(GNP)を成長させることによって国債残高の比率を引き下げていったのです。

ポンドという自国通貨建てで国債を発行しているイギリス政府に、借金を返済する必要などなかったわけです。

そのことは今の日本も同様です。

イギリスの国債発行残高対GNP比率
2019/12/01