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真水、たったの16.8兆円

真水

過日、事業規模で108兆円の緊急経済対策が示されました。

「事業規模で…」というのが味噌です。

経済対策の本質は、政府が新たな需要(名目GDP)をつくることです。

ここでいう需要とはケインズが言う「有効需要」のことで、政府が新たな需要(名目GDP)をつくるということと、政府が新たな財政赤字をつくるということは同義語です。

この国難にあっても未だ「減債基金の取り崩しは不健全だぁ〜」と〇〇の一つ覚えみたいに叫んでいる、金属主義の貨幣観をもった人たちには解るまい。

金属主義の貨幣観は誤りで、表券主義の貨幣観こそが正しいのであって、ゆえに客観的事実として「政府が新たな需要(名目GDP)をつくる」と「政府が新たな財政赤字をつくる」は全く同じことなのです。

新たな財政赤字のことを、政治行政の世界では「真水」と呼びます。

では、今回の108兆円のうち、新たな真水はいかほどでしょうか?

驚くなかれ、なんとたったの16.8兆円です。

蓋を開けてみると、108兆円の大部分は貸付枠や保証枠の拡大、あるいは昨年の段階で既に計上されている財政支出を名前を変えて再計上したものです。

ほとんどインチキです。

要するに、重要なのは「真水」であって「事業規模」ではありません。

例の30万円給付に至っては対象世帯が限られ、結果ほとんどの世帯がありつけない。

対象となるのは、今年の2〜6月の間のいずれかの月に、①世帯主の収入が、感染が発生する前と比べて減少し、年間換算して住民税が非課税となる水準まで落ち込んだ世帯。

もしくは、今年の2〜6月の間のいずれかの月に、②世帯主の収入が50%以上減少し、年間換算して住民税が非課税となる水準の2倍以下になる世帯となっています。

政府は30万円給付の総額を6兆円としています。

住民基本台帳(平成31年1月1日現在)によれば、日本の全世帯数は 58,527,117世帯ですので、単純に割り返しても、給付の対象になるのはせいぜい2千万世帯までです。

結局、対象世帯を2千万世帯にまで絞り込み、できれば最小限に抑えたいがために、わざと対象条件を複雑にしているとしか思えません。

なお、住民税が非課税となる収入の水準は自治体によって違いがありますので、さすがに総務省はその基準を全国一律にするとしています。

とはいえ、それでも対象者を書類的に確定するまでの業務プロセスは実に膨大となるため、各自治体は実に複雑にして膨大な業務に忙殺されることになります。

意外に思われるかもしれませんが、いわゆる『平成の構造改革』によって職員が削減されてきた各自治体は、どこも基本的には人手不足です。

昨今、明らかになっているように、災害時の職員対応が迅速にいかないのはそのためです。

国であれ地方自治であれ、行政は安全保障NPOです。

ゆえに行政は、平時よりむしろ有事(危機)のときにこそ、その機能を最大限に発揮することが求められます。

平時には無駄に見えるものが、有事や危機の際には役に立つことが多々あります。

それを“平成政治”はことごとく「無駄」の一言で削減してきたわけです。

結果、困っているのは国民です。

なんどでも言います。

政府がプライマリーバラナス黒字化目標を破棄して財政赤字を拡大させないかぎり、恐慌リスクと感染リスクから国民を守ることは不可能です。
2020/04/11

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