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原油価格とエネルギー安全保障

ロイターによれば、新型コロナウイルス問題の影響により「エネルギー需要が減退するのでは…」との憶測から原油価格が下落しています。

WTI(米国原油の指標)の先物は2.34%安の48.73ドルで、北海ブレンド原油先物も2.77%安の53.43ドルとなり、昨年1月以来の安値を付けました。

一時的な値下がりとして収束するのか、それとも基調として原油安に向かうのかは専門家の判斷に委ねますが、改めて原油価格が国際政治と我が国のエネルギー安全保障に与える影響を考えてみたいと思います。

資源輸入国の日本としては、原油価格はできうるかぎり安いほうが有り難いと考えがちですが、意外にも落とし穴があります。

例えば、原油価格が低下すると石油開発の採算が合わなくなるため、中東以外の地域における石油開発が進まなくなり、石油代替エネルギーの開発や利用が後退するので、むしろ中東への依存度と石油への依存度が共に高まります。

あるいは、あまりにも原油価格が低下すると、中東やロシアなど、石油資源への経済依存度が高い国々は経済的に困窮し、国内の不安定化から国際紛争へと発展する恐れも高まります。

ご承知のとおり、地政学リスクの高まりは資源価格を高騰させます。

原油価格を高めるために、資源国が冒険的な国際紛争を起こす動機が生まれることは否定できません。

一方。覇権国(世界の警察官としての覇権国)である米国にしても、石油価格が下落することで中東への関心が低下することから、それもまた中東情勢の不安定化につながります。

我が国の原油供給ルート(シーレーン)は、中東ホルムズ海峡(81%)とマラッカ海峡(83.3%)に依存しています。

以上のことから、石油価格の下落が我が国のエネルギー安全保障を弱体化させる、というパラドックスをみることができます。

原油化石エネルギー
2020/02/27

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