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固定為替相場制を採用する国のデフォルトリスク

固定為替相場制

MMT(現代貨幣理論)は、インフレ率の制約を受けない限り、自国通貨建て国債を発行できる政府のデフォルトリスクがゼロ%であることを証明しました。

ただし、例え自国通貨建てによる国債発行であったとしても、デフォルトするケースがあります。

それは、固定為替相場制を採用している場合です。

むろん現在の我が国は固定為替相場制を採用しておらず、変動為替相場制を採用しています。

よってここでは、仮に我が国が固定為替相場制を採用していたとしたら、という前提でお話しします。

固定相場制を採用した日本において、大量の「円」が外貨への交換のために提示された場合はどうなるでしょうか。

まず、日本政府は外貨準備を取り崩して、外貨への交換に応じなければなりません。

なお、円の為替レートを切り下げれば下げるほど、円を外貨に交換しようという需要が増えることになります。

外貨が不足すれば、外貨を借りなければなりません。

自然、利払い・返済が実質で必要な外貨建て債務を負うことになります。

そして、一層の緊縮財政政策がとられます。

即ち、固定為替相場を維持しなければならない国は、為替市場に政府の政策が制約を受けることになるわけです。

1998年8月当時、ロシア・ルーブルは1ドル6.45ルーブルの為替レートで固定され、ロシア政府は対ドル固定為替相場制の維持を望んでいましたため、ロシア政府のルーブル建て債務は事実上の「ドル建て債務」と化していました。

そこへ、ロシア・ルーブルに強い下落圧力、即ちルーブルから外貨への交換圧力がかかりました。

外貨準備(ドル)の減少に直面したロシア政府は、必要な外貨を借りることができませんでした。

やむなくロシア政府は変動相場制への移行を選択したのですが、残念ながらロシア政府にはルーブルで支払う意欲がなく、最終的にロシア政府はデフォルトすることになりました。

外貨(ドル)との為替ルート固定を望んだロシア政府は、ルーブルの下落(あるいは暴落)をもたらす金融政策に踏み切れず、デフォルトを政府の意思で選択したのです。

もしも当時のプーチン政権が、ルーブル下落を覚悟で外貨への両替に応じていたなら、ロシア国内は凄まじいインフレに見舞われていたことでしょう。

そうなると、ロシア国内各地で暴動や反政府運動が起きていたかもしれず、プーチン大統領の命そのものも危うかったのかもしれません。

プーチン大統領が、インフレではなくデフォルトを選択した理由がよく解ります。

このように例え自国通貨建て通貨で国債を発行できたとしても、固定為替相場制を維持しようとする政府にはデフォルトする可能性が常につきまといます。

我が日本国は変動為替相場制の採用国ですが、お隣の中国は2005年7月より管理フロート制を採用しており、これもある種の固定為替相場制です。

もしも今、中国政府がガチで変動為替相場制に踏み切ったとしたら、外貨への両替が殺到して人民元は一挙に暴落するのではないでしょうか。

そのとき習近平政権は、インフレとデフォルトのどちらを選択するのでしょうか。
2020/02/17

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