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物言う「株主」、物言わぬ「国民」

グローバリズムの目的は、ヒト・モノ・カネの国境を超えた移動の自由を最大化することです。

それによる最大の受益者は、残念ながら働くことにより所得を稼ぐ各国の国民ではなく、国境や国籍とは無関係に資本収益を荒稼ぎする人たちです。

主としてグローバルに展開する株主など。

トマ・ピケティは、働くことで得る所得を「G」、資本収益による利益を「R」として、グローバリズムを推し進めていくと、

やがて世界全体が…

G < R

…となり、持続不可能なほどの格差を拡大していく、と述べました。

ピケティの『21世紀の資本』は、先進国の数百年にも及ぶ歴史を紐解き、膨大な資料やデータを使ってそのことを証明したのです。

1990年代後半からグローバリズムに舵を切った我が日本国においても、いまや R<G は顕著です。

株主資本主義

上のグラフは、東京証券取引所の「投資部門別株式保有比率」です。

赤い棒グラフの部分が海外法人の持ち分ですが、1990年代後半から急激に増えていることがわかります。

一方、我が国の実質賃金は、下のグラフのとおりです。

実質賃金

本来、企業は株主に配当したり自社株を買ったりするおカネがあるならば、賃上げなどに回すべきなのに、それをしなくなりました。

だから実質賃金が上がらない。

グローバリズムは「株主資本主義」そのもので、とりわけグローバル企業の経営者たちの目は労働者に対してではなく、明らかに株主のほうを向いています。

いったん株主資本主義がはじまってしまうと、簡単には後戻りができません。

もしも日本企業だけが株主への配当を低くしてしまえば、その企業の株価が下がってしまい、なおかつ海外のライバル企業に買収される危険に晒されることになるからです。

例えば、中国企業に買収されたくなければ、人件費を抑制したり、自社株買いを増やしたりするなどをして株価を釣り上げるほかありません。

このようにグローバリズムおよび株主資本主義には、常に人件費抑制の圧力が組み込まれています。

といって、格差をとるか、成長をとるか、の二者択一の問題ではありません。

ピケティが言うように、格差を是正しつつGDPを成長させる、本来の資本主義の姿に戻すべき問題であると考えます。

そして物言わぬ国民のままでは、それを具現化することは困難かと。
2020/02/15

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