消費税減税・廃止の効果

消費税減税・廃止の効果

消費税増税やインボイス制度は「誰に損を押し付けるか…」というデスゲームですが、消費税の廃止や減税は「誰が得をするか…」というライフゲームになります。

例えば消費税を減税すると、まちがいなく事業者は得をします。

消費税は事業者の粗利(利益+非課税仕入)に課せられている直接税ですので当然です。

一方、もしもその事業者が減税分を価格に転嫁しなければ消費者が得をしますし、減税された分を下請け等の取引先への支払いに還元すれば取引先が得をすることになります。

あるいは消費税が無くなると、「輸出戻し税」という名の輸出補助金がなくなりますので輸出相手国が得をすることになります。

トランプ米大統領が「日本の消費税は非関税障壁だ」と言っている所以です。

むろん、輸出補助金が無くなることで輸出産業が困ることになりますが、消費税が無くなると自動車などの高額商品が売れることになります。

例えば、1,000万円の自動車を買おうかどうか迷っているヒトがいたとします。

消費税が廃止されると、価格は一気に900万円に下がります。

そこにガソリン税や自動車重量税の減税や廃止が加わったならば、自動車需要は益々もって高まり国内の自動車産業はボロ儲けすることでしょう。

石破総理や森山幹事長は「消費税が廃止されても高額商品を買うことのできる富裕層にしか恩恵がない…」みたいなことを言っていますが、例えば減税によって自動車需要が高まることにより、自動車産業に従事する人たちの所得が高まることになります。

それは恩恵ではないのでしょうか。

さらには1,000万円の自動車を900万円で購入することができれば、浮いた(得をした)100万円で食事をしたり旅行したりできますので、飲食店や宿泊施設等にも新たな需要創出の機会が生まれます。

要するに減税には需要波及効果があるわけです。

少なくとも、これから家や自動車を買おうとしているヒトがいるとすれば、消費税が10%なのか、5%なのか、0%なのかの違いはかなり大きい。

ちなみに、もしも減税すると決めた場合には、直ちに減税しないと「買い控え」が起きて景気を押し下げる可能性があります。

ただ、税率を変えるだけなら直ぐにでもできます。

減税で損をするのは政府のみです。

むろん、それでいい。

上のグラフのとおり、コロナ禍であろうが、不景気であろうが、わが国の政府は容赦なく国民から所得を奪い続けてきたのですから…